コラム

交通事故で整骨院に通うと慰謝料は貰える? 半額になるって本当?

こちらの記事をご覧になっている方は、今まさに交通事故にあってしまい通院先を決め兼ねているという方かもしれません。

インターネットで調べると「交通事故で整骨院に通うと慰謝料が半額になる」というような検索結果が出てくるので不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、しっかりとした手順を踏み仕組みを理解していれば大丈夫です。整骨院での慰謝料の対象となる治療についても確認していきましょう。

交通事故で整骨院に通う場合

交通事故の整骨院

まず、交通事故で整骨院に通うには注意点がありますのでご紹介していきます。

交通事故後、整骨院に通う場合の注意点

大きな注意点が、交通事故で整骨院だけの通院はできません。必ず、最初に整形外科を受診しましょう。

というのも、交通事故では自賠責保険(又は任意保険)という加害者の保険が動くことで、あなたの治療費の支払いや慰謝料を受け取ることができます。

この自賠責保険を動かすためには医師の診断書が必要になります。整骨院には医師はいませんので、この診断書を発行することができないのです。

交通事故で整骨院だけの通院はできないと最初にあげましたが、正しくは、整骨院への通院だけではあなたの治療費も慰謝料も支払われないということです。

診断書は事故直後の状態を記す大切な書類でのちの慰謝料にも大きく関わってきます。このポイントは抑えておきましょう。

大前提、整骨院は病院ではない?

整骨院にいる先生は柔道整復師という資格をもつ先生で医師免許はもっていません。交通事故後に必要な診断書を書くことができるのは医師のみですので、整骨院では発行できません。

医師がいるのは整形外科です。大きな交通事故でそのまま救急車で運ばれた際はそのまま病院へ搬送されますが、それ以外の場合は整形外科を1番に受診しましょう。整形外科ではレントゲンやMRI、注射や検査を行えるので事故直後の自分の状態を知るためにも診察を受けることは必要です。

保険会社から治療費が払われないことも!?

まず医師からの診断書がなければ、保険会社は動かず治療費の支払いがされないことは説明しましたね。その他にも整形外科に通院中、医師と保険会社に黙って整骨院の通院を併用していた場合も治療費が支払われない可能性があります。

整骨院への通院は保険会社からすると、支払う治療費が増えますので懸念しています。なるべく行ってほしくないというのが保険会社側の考えといえるでしょう。そのため、整骨院との併用は整形外科の医師に「柔道整復師による施術が有効」など認めてもらうことが重要です。

交通事故で整骨院に通いながら慰謝料をもらう方法

整骨院慰謝料

ここからは整骨院に通いながら慰謝料をもらうために必要な方法や手順をご説明します。

方法1|医師に同意書をかいてもらう

医師に同意書を書いてもらうことは、保険会社との示談交渉になった際に整骨院の治療費や慰謝料をしっかりともらうためにとても大事です。医師のカルテ、または同意書として「柔道整復師による施術が有効」など書いてあれば賠償請求でも有利になります。

整骨院の併用の手順としては
①保険会社と医師に整骨院への通院を希望していることを伝える
②保険会社から整骨院の治療費を支払うという返事があったら、それを医師に伝え、同意書・紹介状を書いてもらう
(保険会社から治療費を支払わないと言われた場合、先に医師の同意をとり、その旨を保険会社に伝え交渉する)

しかし、保険会社も医師も整骨院の併用は好ましく思っていないことが多いです。保険会社側は、被害者の治療費の増加・整骨院の施術が治療に効果があるか疑問視している・整骨院からの治療費水増しの懸念、などがあるためです。

また、医師側も整骨院を信用していないケースがあります。患者さんの症状悪化や整骨院の判断ミスにより後遺症が残るなどトラブルが多いからです。その責任は同意書を書く医師が負うことになるため、同意書自体を書きたがらない医師は多くいます。

このような場合、整骨院治療に理解のある医師のもとへ行くのもいいですが、まずはあなたの身体を事故以前の状態になるべく戻せるように、今かかっている医師の判断に従うのが良いのではないでしょうか。

方法2|保険適用内の治療を受ける

医師の同意書があった上で、さらに気を付けることは保険適用内の治療を受けることです。保険会社のパンフレットの記載をよく読んでおきましょう。一般的に保険適用外なのは、カイロプラクティックや気功、整体、指圧、あんまマッサージ、鍼灸(鍼灸治療に対して医師の同意があれば可)、患部以外の治療、などです。

のちのトラブルを避けるためにも、あいまいな場合は前もって保険会社に確認をとるのが良いでしょう。

整骨院に通うと本当に慰謝料は半額になるの?

半額

結論からいうと一部正解で一部不正解です。慰謝料が半額になるというのは、上で取り上げた保険適用外の治療を受けた場合、計算上半額になってしまうということがインターネットで「交通事故で整骨院に通うと慰謝料が半額になる」という言い回しになってしまったようです。

この計算方法ですが、整骨院の通院で支払われる慰謝料は「総治療期間」と「その間に整骨院へ通院した日数×2倍」を比べて、どちらか少ない方に4200円をかけて求めます。(病院に通ったときも同じ計算方法です。)

保険適用外の治療では「その間に整骨院へ通院した日数×2倍」というところが2倍をかけずに計算することになります。そのため実質半額という計算になるのです。

まとめ

しっかりと手順をふめば、整骨院の通院でも慰謝料はきちんともらえることがわかりましたね。しかし、交通事故での整骨院通院は非常にトラブルが多い案件です。整骨院は中には悪徳なところもあるため、医師からも保険会社からも、さらには裁判所からも疑念の目で見られている現状があります。

もしも最終的に裁判になったとしたら、整骨院での治療というのは印象があまりよくないというのも事実です。あなたにとってどこでどういった治療をしてもらうのが、自分の身体と心にとってお得であるのかしっかり考えることも必要でしょう。

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